笠盛人の日 第8回—社会性、の2

当たり前すぎる空気について、窒素78.08%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%で大部分が構成されている気体、などと詳しく知っている人はほとんどいないでしょう。同じように当たり前すぎる社会、社会性についても、その定義を考えたことがある人は少ないのではないか。

私はまず、社会、社会性の定義から始めました。

社会(しゃかい、英:Society)は、ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり。また、仲間意識をもって、みずからを他と区別する人々の集まり。社会の範囲は非常に幅広く、単一の組織や結社などの部分社会から国民を包括する全体社会まで様々である。

社会を作り、維持していこうとする性質(本能)→社会性

どちらもネットから拾ってきたのですが、これ、難しいですね。それこそ、分かったような、分からないような気分になります。

そこで、社会というものを目で見てもらおうと思って持ち出したのがソーシャルグラフです。Web上での人間の相関関係や、そのつながり、結びつきを意味する概念です。こちらを見て頂ければ、図もありますのでご理解頂けると思います。自分を真ん中に置いて、自分の知り合い、その知り合いの知り合い、という具合に人間の関係は重層化していきます。知り合い同士が知り合っていることもあるでしょうし、知り合いと知り合いの知り合いがお互いを知る仲、ということだってあります。

それを説明した後で、1回目のワークショップを開きました。課題は

自分の簡単なソーシャルグラフを描いてみよう!

言葉での説明では分かりにくくても、図にすれば分かり易くなります。さらに、その図に自分が登場すればずっと身近に感じ取れるようになります。

みんなが自分の人間関係を描き終わるのを待って、その人脈の広がりにも階層があることを説明しました。

中心にあるのは、家族、親友などアドバイスをくれたり、困った時に助けてくれたりする最も大切な人、です。

その外側に、社会学で「シンパシー・グループ」と呼ばれる、いなくなると喪失感を感じる人々がいます。

さらにその外側には、近況を把握している程度の人々がいます。普段は会わなくても賀状だけは交換する間柄、といってもいいと思います。心理学的には、ここまでが脳の限界といわれています。

一番外側に、「Weak tie(弱いつながり)」というグループがあります。会ったことはあるがそれほど親しくはない、という関係です。顔見知り程度、というところです。

ボンヤリとでも知っている人の範囲もこれだけ広がります。ましてや、その人たちもそれぞれネットワークを持っているのですから、人のつながりは無限に広がるわけです。きっと、それが「社会」なのでしょう。

ここまでで社会についてはおおむね理解して頂いた、と判断しまして次に進みました。課題は

なぜ企業や笠盛人の社会性が重要なのか?

です。

様々な答え方があると思います。ここはあくまで私が辿った道のりを皆さんに説明するのですから、私が出した解答を示しました。

企業・組織は社会の様々なステークホルダーからの支持を得ることで存続できるから

言い換えれば

企業の生存理由を確保するためには社会性が必要になる

となります。

ステークホルダー、という言葉が出て来ました。分かり易くいえば利害関係者です。例えば

社員:給料を払わないとやめてしまう
運送業者:運賃を払わないと運んでくれない
お客様:満足して頂ける品質でないと仕事が2度とこない
国や地方自治体:税金を払わないと資産を差し押さえされる
近隣:ごみを道に捨てていたら苦情が来て立ち退きを要求される

などです。つまり、ステークホルダーとは私たちの仕事に影響を与える人達のことです。

「笠盛」を中心に置いてステークホルダーの関係を図にすると、それぞれのステークホルダーが他の会社、消費者などとの利害関係を持っているのですから、先ほど描いたソーシャルグラフとそっくりになります。つまり、「笠盛」の仕事が、こうしたネットワークを通して社会に影響を与えているわけです。

ここまで来て、2回目のワークショップにはいりました。課題は

「笠盛」のステークホルダーマップを描いてみよう!

それぞれにどんな利害関係があるかも記入してもらいました。社員は働くことで会社に貢献し、会社はその見返りに給料を払う、銀行は「笠盛」にお金を貸し、「笠盛」は銀行に対して利子を払い、最後は返済する、などです。

「笠盛」が社会の中で存在していることを、1人1人の仕事を通して実感してもらうための作業でした。

ここまで来ると、「笠盛」に社会性が必要なことを実感してもらえたのではないかと思います。「笠盛」の社会性とは、「笠盛」が多くの人、企業に支えられて存在していることを理解し、広範囲に広がるステークホルダーに対して責任を果たす、約束を守ることに他なりません。それが「笠盛」に社会的な意義があることであり、先に書いた定義に戻れば社会を作り、維持していこう、ということなのだと私は思います。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)