その1 始まり
私が経営を受け継いだ「笠盛」は刺繍を専業としていました。いまでもそれは変わりませんが、ご存じのように、刺繍業とは受注産業です。織物、編み物に刺繍を施したいと思う発注先があって初めて仕事が生まれます。もちろん、より多くの...
第1部 OOO私が経営を受け継いだ「笠盛」は刺繍を専業としていました。いまでもそれは変わりませんが、ご存じのように、刺繍業とは受注産業です。織物、編み物に刺繍を施したいと思う発注先があって初めて仕事が生まれます。もちろん、より多くの...
第1部 OOO「000」の開発は事業の失敗がきっかけだった。 これから始めようというお話しの冒頭からそう書いてしまうと多くの方々の失望を誘ってしまうでしょうか? しかし、事実をありのままにお伝えするには、そう書くほかありません。社運...
第1部 OOO天文学的、とまでは申しませんが、ちっぽけな「笠盛」には抱えきれないほどの膨大な債務が残りました。失意を抱えながら工場閉鎖の後始末、撤退作業に追われました。 「先祖から営々130年続けてきた会社を私が倒産させてしまうのか...
第1部 OOOモノ作りは日本だ。刺繍は桐生である。だから、そこに生産の根拠地を置いて海外に出る。日本の桐生から世界に打って出る。 相変わらずインドネシアの後始末に追われながら、私の決意はますます揺るぎないものになりました。それがで...
第1部 OOO話を元に戻します。八方破れを推し進めて調査対象を広げると、「モーダモン」という展示会が引っかかってきました。毎年2回、パリで開かれる世界最大の服飾資材展です。そこに行き着いたとき、秋の「モーダモン」の応募締め切りが目前...
第1部 OOO無理に違いないと思っていた「モーダモン」への出展が認められた。会場には数多くのバイヤーが世界中から集まるはずだ。すでに送ったサンプルとは別に、どんなものを作って出せばいいのか? どんな商品なら世界のバイヤーの目を引くこ...
第1部 OOO何度も話し合いを続けました。行き着いたのは、自分の強みを発揮するしかない、という常識極まるものでした。「笠盛」の刺繍技術の粋を凝らし、どこにもないものを出す、です。 「刺繍を使ったレース調の生地」 という「KASAM...
第1部 OOO私たちを乗せた飛行機は成田空港を午前10時ぐらいに飛び立ち、時差の関係で現地時間では午後の早い時間にパリのド・ゴール空港に着きました。荷物を受け取ると、私たちは予約していたルーブル美術館の近くのホテルに向かい、夕食まで...
第1部 OOO「笠盛」に割り当てられたブースは三方が壁で、小さなテーブルが1つと椅子が2脚用意されていました。陳列棚などは置かれていません。となると、「KASAMORI LACE」を飾り付けるのは壁しかありません。どのように飾れば見栄...
第1部 OOOいよいよ、初めて出展した「モーダモン」の初日です。いま思い返しても、その幕開けは 「凄かった!」 としか言いようがありません。 「これまで、自分たちのことを過小評価していたのではないか? 自分で自分を知らなかったので...