笠盛人の日第19回 主体性(2回目)、の2

「主体性」を高めるワークショップ。これにはかなり悩みました。どんなことをみんなにやってもらったらいいのだろう?
考えた末に思いついたのが「人狼ゲーム」です。1〜2年前から流行っていますので、ひょっとしたらやったことがある、という方もいらっしゃるかも知れません。しかし、ご存じない方もいらっしゃるでしょうから、御説明しておきます。

各種のローカル・ルールがあるようですが、私たちが採用したのは最もシンプルなルールです。
当日の参加者は28人でしたので、これを2人ずつ14のチームに分けました。このうち、私が入ったペアはゲームマスターになり、ゲームを運営する立場です。だから、ゲームをするのは13チーム、26人です。このゲームをやったことがあるという人が3分の1ほどいたので、できるだけ経験者+未経験者でペアを作りました。

この13チームを、

・市民:10チーム=特別な能力はない
・人狼:2チーム=夜、1チームを殺すことができる
・占い師:1チーム=夜1チームを選び、人狼であるかどうかを占える

に分けました。

基本ルールはこうです。
どのチームが市民で、どのチームか人狼、占い師であるかを知っているのはゲームマスターだけです。つまりゲームをしている人は、自分のチームの属性(市民か人狼か、それとも占い師か)は知っていますが、ほかの12チームの属性は知りません。

人狼は夜、市民を1人殺します。
朝になると全チームで話合いをし、人狼と思われるチームを多数決で追放します。
殺されたり追放されたりしたチームは、そのあとゲームに参加できません。
夜と朝を繰り返し、市民と人狼が同数になったら人狼の勝ちです。
そうなる前に人狼を追放し尽くせたら市民の勝ちです。

ゲームは夜から始まります。まず全員に顔を伏せて周りが見えないようにしてもらい、人狼チームだけが顔を上げ、人狼2チームはあうんの呼吸で殺す1チームを決め、指さします。
次は占い師の出番。1チームを占って市民か人狼かを知ります(ゲームマスターが教える)が、その情報は開示されません。
人狼がたまたま占い師を指さしたので占い師が死んでも、占い師の時間だけはとります。占い師が死んだことを市民に知らせないためです。

朝になると追放するチームを多数決で決めるための話し合いが始まりますが、何の能力もない市民は、ほかのチームの顔色を見たり、誰かの発言に対する反応をうかがったりして、疑わしいチームを絞るしかありません。いわば「観察力」が求められます。
人狼は自分が人狼であることがばれないようにしなければなりません。騙し通す「知恵」が必要です。
前の夜、たまたま人狼を占ってしまった占い師は、知っていることを公表すると、夜になって人狼に殺されてしまうので、正直に発言することはできません。しかし、人狼を追放しなければ市民チームに勝ちはないのですから、自分の正体を明かさずに事実を伝える「工夫」をしなければなりません。

誰が嘘つきか。話が矛盾しているのは誰か。ひょっとしたら、あのチームが占い師で、あの言い方は人狼を知らせているのではないか?

何度も夜と昼が繰り返され、死んだり、追放されたりしたチームが増えていきます。

このゲームで狙ったのは、みんなが自分の考えを積極的に発言するようになることです。2人でチームを組んでもらいましたが、まず、2人で話し合わなければチームとしての意見は持てません。その意見を発表した後、他のチームの話を聞いて自分たちの意見を変えるのにも話合いが必要です。自分のチームの判断に自信があれば、ほかのチームを説得する力がいります。人狼はみんなの疑いの目から逃れる話術が求められます。

このゲームに勝ちたい、自分の判断は正しいと思えば、自分の見方を積極的に発言しなければなりません。他の人の話を聞いて意見を修正する柔軟さも大事です。こんなゲームですから、夢中になっているうちに、いつの間にか「主体性」が育つのではないか、というのが狙いでした。

それに、追いかけられる立場の人狼になれば、嘘も駆使しなければなりません。一所懸命に考えて嘘をひねり出すのだから、これも「主体性」を伸ばす助けになるのではないか? とも思うのですが……。

人狼ゲームは2回繰り返しました。1回目は50分ほどかかり、人狼チームの勝ち。2回目は30分ほどで市民チームが勝利を手にしました。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)