笠盛人の日第16回  プラス思考—失敗から学ぶ、の5

ワークショップの2回目は、少し工夫を加えました。1回目が終わった後、座学をはさみ、失敗からどう学べばいいのか、失敗を分析する技術を学んだのです。
先に、失敗を見える化するために失敗を記述することが必要であることを確認しました。そして、正しい記述をするには「事象」「経過」「原因」「対処」「総括」というステップで失敗をとらえる必要があることも学びました。

この中でも、失敗を生かすために特に必要なのは「原因」と「対処」だと思います。この2つに着目して失敗を分析する手法があります。「4M5E分析」といいます。

4Mとは、 

MAN(仲間、人間、上司)
MACHINE(機器、設備)
MEDIA(情報、環境)
MANAGEMENT(管理、教育)

です。この4つの視点から失敗の原因を引き出します。

5Eは、

EDUCATION(教育、訓練)
ENGINEERING(技術、工学)
ENFORCEMENT(強化、徹底)
EXAMPLE(模範、事例)
ENVIRONMENT(環境、背景)

です。先に引き出した4つの原因に対して、この5つの視点から対策を検討するのです。

と書いただけではわかりにくいかも知れません。レジリエントメディカルさんのホームページに分かり易い解説がありました。

肝機能障害があり、虫垂炎で入院していた患者Aに39度の発熱があった。看護師Bは坐薬(25mg)投与の指示を受けて坐薬をとり出す際、他の患者からナースコールを受けて対応した。他の患者の対応後、患者Aの病室に戻り、患者Aに坐薬を投与した。
その後、看護師Bの先輩看護師であるCが捨てられていた坐薬の包装から、坐薬(25mg)ではなく坐薬(50mg)が投与されていたことに気がつき薬剤の過剰投与が発覚した。

という事故を4M5Eで分析した結果です。下のマトリックスも同じホームページから拝借しました。

私たちにあまり馴染みのない医療事故の分析ですが、このようにマトリックスにすることで事故の原因、それに対する対策が明瞭に分かるようになります。これを失敗の分析に生かせば、失敗は成功の元になるはずです。

さて、ここまで学んだところで「実践」です。2回目のワークショップは6班に分かれ、社内で起きた失敗の実例の4M5E分析に取り組みました。

例題にしたのは、生地の裏表を間違えて刺繍してしまった失敗例です。

・その仕事は事前にミシンの横に置いてあった
・縫い方について担当者に何度か質問した
・繁忙期で、急いでやって欲しいと頼まれていた
・生地には裏表の表記や印がなかった(仕様書にも記載なし)
・サンプルは手元になかった
・1枚縫ったあと確認しようとしたが、担当者が会議中だった
・何度も質問するのは良くないと思った
・以前にも同じような仕事をしたことがあった

この例題を示した後、分析の着眼点として

Man:作業を行うに当たって、作業者本人の力量やスキルは十分か? 作業者が集中して作業できる時間帯か?
Machine:作業を行うにあたって、無理や無駄が発生するような道具・設備になっていないか?
Media:作業が出来る環境が整っているか。手順があるか? コミュニケーションはとれているか?
Management:ミスしにくい管理が出来ていたか?

を示しました。そして、それぞれの班で30分かけて4M5E分析をしてもらい、各班1分で発表してもらいました。

その全てを紹介することは出来ませんが、ある班は4Mには

Man 「急ぎ」のプレッシャー
  仕様書に記載がなかった
  縫い方については確認していた
  質問・確認がしづらい
  以前にも同じような仕事をした
Machine サンプルが用意されていない
Media 裏・表の印がなかった
  質問がしづらい?
  誰が見てもわかる仕様書がない
Management 質問・確認がしづらい
  仕様書以外の情報不足

を挙げ、5Eでは

Education 言葉選び(依頼するときの)
Engineering 誰が見てもわかる仕様書
Enforcement 仕様書に納期を記載する
  サンプルを必ず借りる
Example サンプルを用意する
  やった事がある人に聞く習慣
Environment サンプルを写真でもいいので用意する

と書いています。4Mと5Eの関係がやや曖昧ですが、この手法を使う事で失敗を失敗で終わらせる事なく、改善につながる提案を引き出す事ができた事は成功だと思います。

最後に、今日の勉強会をまとめて見ました。

・失敗の種類や性質を理解し、失敗に対しオープンな組織を作る事で様々なメリットが生まれます。
・日々の失敗を恐れずに、プラス思考でそれを糧にすることで、笠盛人としてどんどん成長していくことができると思います。
・これからもどんどんチャレンジ、失敗してともに学んでいきましょう!

ありがとうございました。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)