笠盛人の日第16回  プラス思考—失敗から学ぶ、の4

ワークショップの1回目は、それぞれの失敗の「見える化」に挑みました。

まず、「事象」「経過」「原因」「対処」「総括」を記入する欄を設けた「私の失敗エピソード」用紙を全員に配り、身の回りで起きた失敗を記入してもらいまいした。時間は5分です。

さて、「笠盛」の仲間はどんな失敗をしているのか。いくつかご紹介しましょう。

事象:300枚以上あるポロシャツ(製品)の仕上げ。胸元と袖に刺しゅうがあり、その紙とり、糸とり→胸元の刺しゅうが曲がっているものが10数枚返ってきてしまった。
経過:300枚以上あるということで、明日出荷だということで、焦って仕上げをしていた。
原因:明日出荷といわれて2日で検品をしなくちゃという焦り。
対処:左上がりに曲がっている刺しゅう→ほぐし→ぬい直し

事象:原反に刺繍をした後、生地を動かそうとして生地を裂いてしまった。
経過:何回も同じことの繰り返しで慣れてしまってチェックをおこたってしまった。生地をダメにしてしまった。
原因:クリップの外し忘れがあった。
対処:あて布を引っぱるように外していて、クリップの外し忘れがないかチェック&動かす前にクリップがついていないかチェックしてから枠を動かすようにする。

事象:サンプルを縫う際、生地のウラ・オモテをまちがえてぬってしまった。
経過:シールが貼ってある側がオモテだと思い込んでいたのでそのままぬった。ぬいおわってからシールをよく見たら「ウラ」と書いてあった。
原因:思い込み。確認不足。
対処:全部ぬってしまったのでどうにもできなかった。

事象:ワク跡がついてしまいポリエステルの生地がテカッてしまった(確認ミス)。
経過:朝一番に工場に検品に行って<商品にならない>。
原因:四角ワクの角があたり→当て布を付けていなかった為と納期に追われて。
対処:工場で検品して我が社に持ち帰り、ティッシュに水をかけてボカシ、納品した。
総括:工場さんに朝一番にいったことで工場さんもいかりがおさまったみたいです。ので、早めの対処を。

いやあ、結構ありますね。他山の石としなければ……。

こうしてみんなに記入してもらった後、全員に、「あるある!」(赤い紙)、「そんなことが……!」(青い紙)と書いたリアクションカードを配りました。今回は全体を3班に分けており、それぞれの班内で、自分の「失敗」を発表してもらいました。発表が終わると聞いていた人全員がリアクションカードのどちらかを上げて感想を表現するという展開です。
失敗を発表した人を嘲笑したり否定したりすることは厳禁しました。「笠盛」にはそんな人はいないと思いましたが、念の為です。失敗を発表する仲間はむしろ励まし、仲間の失敗は自分の失敗でもある、との思いを共有してもらいたいからです。

話し終わったら、話した人はリアクションカードを見て、1人だけ指名して感想を聞くことが出来ます。
こうして、失敗の経験を共有する体験をしてもらったわけです。
約40分かけました。

そもそも、自分の失敗を文書にまとめるなんて、みんなあまり経験がないことだと思います。加えて、その失敗を人前で話すことを強いたことになります。ひょっとしたら辛い思いをした人もいたかも知れません。しかし、私たちの狙いは、「失敗情報を見える化」して再発を防ぎ、成功につながる道を切り拓くことです。ここは、グッと我慢をして乗り越え、失敗の経験を仲間と共有してみんなの役に立てようという気持ちを育ててもらいたいのです。

多くの人が私の狙いを理解してくれたようです。各人に書いてもらう「研修のまとめ」では

「失敗は成長過程にはつきものなので、クヨクヨせずいい経験を得たと前向きにとらえていきたい!」

「失敗をオープンにする機会は初めてかなと思います。この機会が意識変革につながるとすごくよくなると思う」

「失敗談を聞くことで、今まで知らなかった、人の苦労を知った」

「毎朝いろんな人の小さな失敗談などを共有することで、他の人目線の新しいかいける作が出てくる可能性を感じました」

「失敗をそのままにせずに成功への学びと生かす! 失敗を隠すと失敗のままなので、失敗の共有が大切。その際に受け入れる組織の姿勢(気持ち)がとても大切」

など、我が意を得たりという感想が数多く集まり、心強くなりました。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)