笠盛人の日第10回—勉強すき、の2

ここまで進んで、改めて「なぜ勉強しなければならないのか」を考え直してみました。ふと記憶に蘇ったのが、数年前にツイッターで見た、こんな文章でした。

勉強をなぜするのか聞いたら、コップを指さしして「国語なら『透明なコップに入った濁ったお茶』、算数なら『200mlのコップに半分以下残っているお茶』、社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』といろいろな視点が持てる。多様な視点や価値観は心を自由にする」と返された。
「凝り固まった考え方は悪なのではなく損だ」と教えてくれた。
自由にやればいいんだ、間違ったら謝り直せばいいんだ。

何でも、お母さんに

「何で勉強しなくちゃいけないの?」

と質問したら、こんな答が戻ってきたというのです。
記憶を呼び覚ましながら書いているので正確ではありませんが、そんな趣旨でした。

読んだとき、

「1つの事実でも、様々な見方がある。勉強とは、その様々な見方を身につけるためにやるものなんだ」

と、なぜか強い印象を持ったのですが、それが記憶の底にこびり付き、「勉強すき」のリーダーになったためか、ふと蘇ったのです。

ここまで辿ってきて、やっと

「なぜ私たちは勉強しないといけないのか」

への答が少し見えてきたような気がします。それは、一言でいえば

分岐点での新しい気付きを得るため

といえるのではないでしょうか。

仕事だけでなく、私たちは生きることそのものでも毎日のように選択を迫られます。そんな場面で、自分が視点を1つしか持っていなかったら正しい選択が出来るでしょうか?

例えば刺繍ミシンを動かしている途中で、ある色の糸を使い切ったとします。同じ糸の在庫があれば取り換えればいいのですが、何かの手違いで同じ糸がなかったとします。さて、あなたはどうするでしょう?

「納期が大事だ」

という1つの視点しか持っていなければ、あなたは在庫の中から出来るだけ似た色の糸を探して使うでしょう。そうしなければ納期に間に合わないからです。しかし、それは正しい選択でしょうか?

納期と同じように大切なことが他にもあるのではないでしょうか?

途中から糸の色が変われば、発注主さんのクレームを招くかも知れません。納品を拒否されることもあるでしょう。

それだけではありません。「笠盛」は色指定を守らないという悪評が業界内に起きるかも知れません。そうすれば、「笠盛」に仕事を出してくださるところが減るでしょう。

あるいは、仕事に対する「いい加減さ」が「笠盛」の中に定着してしまう恐れもあります。

それでも納期を最優先に考えるべきなのか?

1つの選択から起きる様々ことを想像できることが複数の視点を持つということです。

では、私たちはどうすれば複数の視点を持つようになれるのでしょう?

様々な見方をするのに必要なのは、基本的な知識、情報です。それなしにはAという行動が引き起こすのはBだけでなく、C、D、E、F……、と様々な可能性があることを想像できません。

私たち「笠盛人」は、少なくとも

・糸の種類
・ミシンの動かし方
・回転数の違いによる刺繍の出方
・Excel、Wordなどのシステムの使い方
・決算書の読み方

程度の知識は備えていなければ、刺繍業を支える一員として正しい選択が出来ません。そして、これらは「基礎知識」でしかなく、現実にはもっとたくさんのことを知らなければ判断できないことにぶつかることが多いのが現実です。

さて、知らないことを知るための手段は

・人に聞く
・本を読む
・Netで調べる
・セミナーに通う

などが代表的ですが、これ以外にも沢山あるはずです。ほかにどんな手があるか。あなたの「知る手段」を考えてみて下さい。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)