笠盛人の日 第2回—トヨタ生産方式の3

また、ディスカッションに課題を与えました。

「笠盛の生産量をアップし納期を守り、残業を1時間短縮するには? お客様、社員にとっての幸せの追究!」

を考え、それを達成出来る案を各グループ3つ発表せよ、というものです。

みんな真剣に取り組んでくれたようです。例えばこんな提案が出ました。

改善箇所:裁断機のハサミ
現状問題点:毎回着る度にハサミを別の場所にとりに行かないといけない
提案:裁断をするところの直ぐ側にハサミの定位置を作成する
効果:場所を動かずに裁断が出来るため1回あたり時間短縮
1日あたりの総短縮時間:100回×5秒=8分

改善箇所:裁断機
現状問題点:一枚ずつ毎回引っぱる位置に戻って切っている
提案:一気に5枚引っぱれるようにする機械を作成する
効果:1枚切るのに8秒かかっていたものが、5枚で8秒になった→1回ごとに32秒短縮
1日あたりの総短縮時間:500回×32秒=16200秒=270分

改善箇所:服の折りたたみ
現状問題点:サイズが大きいので畳むのが大変
提案:網をつなげて治具を作成。それを順番通りに曲げるだけでキレイにたためる
効果:1回たたむのに30秒かかっていたものが、10秒に短縮される→1枚あたり20秒短縮
1日あたりの総短縮時間:5000回×20秒=100000秒=1666分=27時間

狙い通り、みな一所懸命に考えてくれたようです。日頃

「何とかならないか」

と思っていたことをグループのメンバーと話し合ったのでしょう。3人寄れば文殊の知恵。一人では解決策を思いつかなくてもみんなで知恵を出し合えば道が見えてくる。1日あたり作業時間をどれくらい短縮できるかなんて、きっと電卓で計算したのだと思います。

そろそろ終了時間。この日をまとめなければなりません。

私たちは次のような文書を用意しました。

トヨタ式の真骨頂
・ある資源を利用して、より生産性を高める=創意工夫
・技術の横展開

ヒント トヨタの考える7つの無駄
「時間を生み出す」改善提案=無駄をなくす
・手持ち(待ち)のムダ
・加工のムダ
・在庫のムダ
・動作のムダ→付加価値を生まない
・運搬のムダ→人、情報、モノの運搬は一筆書きで
・作りすぎのムダ
・手直し不良のムダ

これを読んでもらった後、再び各グループでディスカッションをしてもらいました。この日のテーマを一人ひとりに深く根付かせるためです。

社員教育は、「笠盛人の日」だけで終わってはあまり意味がありません。その場で何を学ぼうと、人間は忘れるのが大変上手な生き物ですから、しっかりと根をはらせるには繰り返しが必要なことは受験勉強と変わりません。

だから私たちは、

・今回出て来た提案を各事業部に持ち帰り、自分の周りでも活かせないかを考えること
・それぞれが新しい提案を考え、各事業部、経営会議に提案書を出すこと

を宿題として課しました。

さらに「一学一践記入用紙」を用意しました。今回の勉強会で何を学んだのか、それをどう実践しているのかを全員に毎日記入してもらい、各グループの「一学一践リーダー」に提出します。リーダーは必ずコメントを入れて戻します。これを1ヶ月続けます。

種は蒔いただけでは育ちにくいものです。巻いた後の施肥や水やりが植物の生長には必要です。私たちは「笠盛の日」を1日だけの勉強会に終わらせることなく、そのあとも肥料、水をやり続けなければならないと考えました。

以上で「笠盛人の日」第2回は終了しました。第3回のテーマは「PDCA(Plan、Do、Check、Action)」とこの日発表出来ました。やっと私たち企画・運営の責任者の準備が追い付きました。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)