ところで、現代は「VUCA(ブーカ)の時代」と言われていることをご存知でしょうか? いえ、私だってこの勉強会に備えてネット検索を繰り返すうちに初めて知った言葉ですから
「ご存知でしょうか?」
などと偉そうにいう資格はないのですが。
もともとは冷戦が終わった1990年代後半に生まれた軍事用語です。それまでの戦争は国と国の間で起きるのが当たり前でした。どちらも中央政府を持ち、上意下達の指揮命令系統で闘う。だから、どちらかの中央政府が白旗を掲げれば戦争は終わります。
しかし、アメリカと国際テロ組織アルカイーダとの間で始まった闘いはそれまでの常識が通用しない戦争となりました。アルカイーダは国ではなく、アルカイーダの思想に同調した人々が同時多発的に、言い換えれば勝手にテロを実行し始めたのです。中央が存在しない相手との闘いは、何処を制圧すれば勝ったことになるのか分かりません。延々とモグラたたきを続けるような闘いにアメリカは戸惑いました。その状態を指す軍事用語として生まれたのがVUCAです。
V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(あいまい性)
の頭文字をとったのです。
2010年代になると、VUCAはビジネス界でも使われるようになりました。全く思いもかけなかったことが起き、それがビジネスに大きな影響を与え始めたからです。
東日本大震災は、全く想定外の大惨事でした。
多くの予想に反してイギリスがEU脱退に踏み切ったことのビジネスへの影響も否定できません。
IT技術が急速に進歩し、家庭生活にまで深く入り込んだことも想定外に入るでしょう。
新型コロナウイルスの蔓延で世界的な半導体不足が起きるなどとは誰が予想したでしょう。昨年のロシアのウクライナ侵攻も、「ロシアもまさかそこまではやるまい」と思っていた人が多いのではないでしょうか。戦端が開かれると、世界は食糧危機に直面し、エネルギー問題が発生し、いまや世界はインフレーションに脅かされています。
毎年のように世界を襲うようになった異常気象も、想定外の被害を私たちに及ぼしています。
明日とはいわず、今日にも何が起きるか分からない不透明な時代に私たちは生きています。
「こんなVUCAの時代に、未来を見るなんて出来るわけがない!」
と投げ出したくなっても不思議ではないのかも知れません。
それでも、と私は思います。私たちは未来を創らなければなりません。私たちは想像力と夢を持つ力と、それを実現する方法を考え続けなければなりません。その努力を怠れば、自分の未来も、「笠盛」の未来も霧の中を手探りで歩くような、不確かであやふやでふにゃふにゃした頼りないものになってしまいます。
そう考えるのは私たちだけではありません。内閣府は2050年に向けて「ムーンショット目標」を掲げています。
目標1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
目標2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
目標3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
目標4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
目標5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
目標6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
目標7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
目標8.2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
目標9.2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現
これらの目標はそれぞれ、より詳しい中身があります。クリックして確かめて下さい。
いずれにしても、私たちは未来を見据えることなしには未来を切り拓くことは出来ないのです。国民を導く責任がある政府が2050年を目標に、日本のあるべき姿を思い描き、その実現に向けて模索を始めているのです。
もう1つ、政府が「ソサエティー5.0」を提唱していることも知っておいて無駄ではありません。人類の歴史を、
狩猟社会(Society 1.0)
農耕社会(Society 2.0)
工業社会(Society 3.0)
情報社会(Society 4.0)
と辿り、デジタル技術の革新、イノベーションを駆使して社会のあり様を変え、様々な問題を解決する社会を「ソサエティー5.0」と呼んでいます。私たちはそんな世界に向かって歩んでいるというのです。
いずれにしても、未来を観測することは出来ません。それでも、2050年までに社会は大きく変化することだけは確かです。そして、2050年の社会をより良いものにしようという取り組みはあちこちで始まっています。
私たちも、私たちの未来を思い描き、その実現に向けて歩き出さねばならないと思うのです。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)
















