「笠盛」の履歴書 — その39 私の経営改革

 社長を辞める時期が間もなく来る、というのは古希を目前にした数年前から私の思いの中にうっすらとありました。実は、それもあって権限の分散を考え始めたともいえます。私の次に社長になる人に、私のような辛い思いをして欲しくない、と思ったのです。権限を自分一人に集めてしまうと、「笠盛」程度の会社でも、社長の背中にはとてつもない重しが乗っかるものなのです。

 私がそんな社長だったとき、私の救いは臥龍先生の門下生の集まりでした。現役の社長であることを除けば、業種も年代も全くバラバラの集団です。

 そんな集まりはどこにでもあります。商工会議所もロータリークラブも似たような集まりではあります。しかし、臥龍先生の門下生の集まりには、1つだけ違ったところがあります。同義反復のようですが、みんなが臥龍先生の教えを受けていることです。

「笠盛」にも取り入れた臥龍先生の教えの1つが、自己開示でした。悩みなんて自分1人で持つな。悩みを口にすれば気は軽くなる。ひょっとしたら素晴らしいアドバイスももらえるかも知れない。遠慮せず、悩みを話しなさい。

 と書けば簡単なことに思えますが、普通の社会ではなかなか出来ないことです。悩みを口にしたりすればウジウジしたヤツだと思われないか? バカにされるのではないか? さらした弱みに、あとでつけ込まれることになりはしないか?

 人は様々であり、だから様々な思いが湧いてきてなかなか悩みを口に出すことは出来ません。

 しかし、臥龍門下生は気心の知れた仲間です。私だけでなく、すべての参加者が悩みを話しました。私もその一員です。出てきた悩みは全員で考えます。かつて似たような悩みを持った経験がある人は、どうやって解決したかをアドバイスします。悩んでいる当事者にとってはとても良いヒントになるでしょう。横で聞いているだけでも

「なるほどね」

 と膝を叩きたくなることも多々あります。私も悩みを話しましたし、自分の経験談を披露したこともあります。

 救われました。助かりました。3人寄れば文殊の知恵、です。そこで出てきた話を「笠盛」経営のヒントにしたことはたくさんあります。「笠盛」の改革案にも、そのヒントをたくさん活かしました。

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笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)