こんにちは。取締役経理部長の笠原裕子です。前回に引き続き、今回も私が担当します。
前回は損益分岐点という経営指標を学び、損益分岐点を下げれば利益が膨らむこと、そのためには人時生産性を高めなければならないことを学習しました。今日はその続きです。
人時生産性といいますが、そもそも生産性とは何なのでしょうか。
経済学では、生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度をいいます。でもこれだけではちょっと難しいですね。投入した資源に対してどれだけの成果が生み出せたか、ということだといえば少しは分かりやすいでしょうか。
式にすると
アウトプット(得られた成果)
生産性 = —————————————————
インプット(投入資源)
です。投入資源とは労働、設備、原材料などのことです。
この式で分かるように、分母を小さくして分子を大きくする、つまりより少ない人数や原材料でより多くの成果が得られれば、生産性は高まります。
普通の「生産性」は上の式でいいのですが、「生産性」という言葉は多様に使われています。少しご紹介すると、
資本生産性:保有している機械や設備、土地などの資本がどれだけ効率的に成果を生み出したかを数値化したものです。設備の利用頻度や稼働率向上、効率改善に向けた努力などで向上します。
労働生産性:従業員1人当たりの付加価値額をいいます。産みだした付加価値額を従業員数で割ったものです。 労働の効率性を計る尺度で、労働生産性が高い場合は、投入された労働力が効率的に利用されていることになります。
物的労働生産性:生産物の個数や大きさ、重さといった物理的な量を産出量として見たときの労働生産性のことです。 物価の変動といった外部要因で変動してしまう販売額ではなく、物量を基準にしているため、製造業などの現場で純粋な生産能力や業務効率を測る際に用いられます。
価値生産性:製品の生産活動やサービスの提供活動で新たに加えられた価値で、売上高(総生産額)から原材料費・燃料費・減価償却費などを差し引いた額のことです。
付加価値労働生産性:企業が新しく生み出したモノやサービスの金銭的な価値を産出量として見たときの労働生産性のことです。
人時生産性:従業員ひとりが1時間でどれだけの利益を生みだしているかを表す指標です。
難しい話ですから、前回学んだ「人時生産性」を除いては覚えてもらう必要はありません。そんな経営指標があるとだけ記憶にとどめれば大丈夫です。
さて普通の「生産性」に戻りましょう。私は生産性を向上させることが必要だと皆さんに訴えてきました。なぜ生産性を上げることが必要なのでしょうか。
休日が増えるのは従業員にとってはありがたいことです。でも生産性が上がらないまま休日が増えれば、休みが増えた分だけ成果物が減ることになります。その分お客様からの注文が減れば表面上は「笠盛」は回りますが、当然売上が減って赤字に陥る恐れがあります。お客様の注文が減らなかったら、休みが減った分を残業で補わなければならなくなります。どちらも避けたいことですよね。
しかし、生産性を上げればそんなことにはなりません。休みが増えても、以前と同じ量の成果物を生み出せるからです。だから生産性を上げる必要があるのです。
では、どうすれば生産性を上げることが出来るのでしょうか。生産性向上に向けたステップを考えてみました。
①現状の生産性を可視化する
②組織ごとの業務内容やプロセスを整理する
③ノンコア業務とコア業務を切り分ける
④業務環境の整備
⑤KPI(Key Performance Indicator=重要業績達成指標:目標達成に向けて、各プロセスの達成度合いの計測と評価をする指標)をPDCAで回す
このステップを踏みながら、私たちは
①生産量を増やす取り組み
②投入を減らす取り組み
③仕事をまとめて共通化する取り組み
を進めていかなければなりません。
念のためですが、生産性向上と似た言葉に業務効率化があります。この2つの違いを理解しておいて下さい。
業務効率化とは、業務のプロセスを見直して工数やコストを減らすことをいいます。生産性の式でいえば、分母にあたる「投入」を減らす活動の1つです。
つまり、業務効率化は生産性向上のための1つの手段に過ぎません。
ちょっと難しかったかも知れませんが、本日の座学はここまでとします。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)
















