200年企業へ —笠盛人の日第32回 商品開発コンペ<4P分析編>、の3

さて、ここからは再び座学です。
各班には企画書を作ってもらい、その4P分析もやってもらいました。新しい商品やサービスを生み出す時、次にやらねばならないことは

顧客価値を明確にする

ことです。つまり、お客様の目線になって、自分たちが生み出そうとしている商品やサービスを観察することです。これは、客としてお金を出す価値があるのか? を考えるのです。

商品(サービス)と一口にいますが、あらゆる商品には3つの層があるといわれます。
中心にあるのが、「ベネフィット」です。その製品の価値の本質、コンセプトです。お客様が求める製品の中核的なベネフィット、価値、サービスなどがこれにあたります。
その周りにあるのが「実際の商品」といわれます。製品の特性を構成する価値で、機能・品質・スタイル・ブランド・パッケージなどです。
一番外側にあるのが「付随機能」です。間接的にお客様にとっての価値を高める要素です。製品やサービスに付随する配達、設置、保証、アフターサービスなどが含まれます。

それを踏まえたうえで、「商品(サービス)」から「顧客価値」に置き換えることを具体的に考えましょう。実例を示すとこんな具合です。

商品 顧客視点
星野リゾート 上質な宿泊(建築、食事。サービス、接客) 特別な日を送る。非日常
docomo 携帯電話サービス 確実に繋がる
話せる安心感
スターバックス ドリンク・軽食 家でも職場でもない第三の場所

これから皆さんに「商品(サービス)」から「顧客価値」に置き換える作業をやってもらいますが、その前に一例をご紹介します。スターバックスです。

まずスターバックスを4P分析すると、こうなります。

Product 商品・サービス・体験
何を買ってもらうのか
コーヒー、フラペチーノ、季節商品、自分好みにカスタマイズ、全席禁煙、居心地のいいインテリア、余裕のある席配置、コーヒーの香り、フレンドリーな接客
Price 価格
いくらで買ってもらうのか
コーヒー300円〜500円・フラペチーノ500円〜700円・ワンモアコーヒー100円〜150円
Place 流通・販売
どこで買ってもらうのか
直営店のみにすることで世界観を保つ・大都市に出店(開始当初)・通りに面した立地に出店(開始当初)
Promotion 宣伝
どうやって知ってもらうのか
宣伝広告行わない
店頭、SNS、アプリ、口コミ

さて、この4P分析から、どんな「顧客価値」が見えてくるでしょうか? 私はこう考えました。

スターバックスは、「コーヒー」という商品はもちろん、家でも職場でもない第三の場所(サードプレイス)という価値観を顧客提供価値として顧客へ訴求し、支持されています。
いかがでしょうか?

座学をここまで進めて、各班でそれぞれの4P分析から「顧客価値」を導き出してもらいました。その結果を、各班ごとに示します。

【1班】

ミトン 手のひら側→肉球 外動物
タオル・ハンケチ(ワンポイント)
(飛び出すアプリ)
エコバッグ(ワンポイント、大きい刺繍)
ペットウエア(ワンポイント)
思い出
実用性
期待を越える物
そこでしか買えない物
高級感

【2班】

一点物の刺繍商品 大事な思い出の写真をより価値を高めた作品にできる
紙より長持ちする
動物とかは毛並みの再現もできる

【3班】

刺繍サービス
オリジナルを小ロットで作れる
お客さんの要望通り
 

夢への1歩
コンセプトを汲み取る

【4班】

数珠(カスタマイズできる)
子供誕生の時に贈るもの
古着の修理
棺桶に入れられる
普段づかいができる
自分好みの数珠に出会える(人とかぶらない)
お祝いの気持ちを贈ることができる
物を大切にする気持ちが芽生える
一点物で愛着が生まれる
環境への配慮

申しわけありませんが、5班だけは記録が残っていませんでした。事務作業のミスか、5班が考えあぐねたのかは不明です。申しわけありません。
いずれにしても、新商品、新サービスのイメージがだんだん具体的になってきました。

ABOUT US
笠原 康利
1948年3月18日生まれ 好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分) 嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分) 得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分) 苦手:指相撲、妻(多分) 似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)