生み出したばかりのこのネックレスを、私たちは「スフィア(球)」と名付けました。これまで「無理」といわれていた、刺繍による珠の機械生産を実現した誇りをこめたつもりです。
しかも、「スフィア」は、刺繍で造った珠を、他の糸を使ってつなぎ合わせたものではありません。上糸と下糸のたった1組の糸で最初から最後まで造っています。つまり、珠も、珠と珠をつなぐ紐の部分も、全部繋がっています。解きほぐせば1組、たった2本の糸に戻るのです。
自分たちでいうのもどうかと思いますが、「スフィア」は画期的な刺繍なのです。
2013年のインテリア・ライフスタイル展には「アトリウム」というコーナーが設けられていました。いわば、主催者が選んだ「今年の一押しブース」を集めたコンセプト・ゾーンです。さしずめ、「モーダモン」の「ビップ・プロダクツ」コーナーの日本版、というところですが、ここには選ばれた商品だけではなく、選ばれた企業のブースも並ぶのです。
そこに、「笠盛」のブースが用意されたことを直前に知らされました。おそらく、事前に送っていた「000」の、「スフィア」が評価されたのでしょう。今年はこのゾーンには30数社のブースが並ぶのだそうです。
「そんなところに選ばれたか。幸先がいい」
オープニング前日、「アトリウム」コーナーに直行しました。到着して驚きました。そのコーナーのほぼ中央に、「笠盛」のブースがあるではありませんか。「今年の一押し」の、そのまた中心?
「一押し中の一押しということ?」
私たちは妙に神妙な気持ちで、できたばかりの「スフィア」を中心に、「000」のアクセサリーを並べました。
でも、自信を持って公開した「スフィア」ではありますが、審査員にはどのように評価され、真ん中の真ん中に「笠盛」を押し上げてくれることになったのでしょう?
主宰団体の担当の方は、次のように説明してくれました。
「インテリア・ライフスタイル展は、日本の伝統工芸と現代のライフスタイルを結びつけたいと思って開催しています。『スフィア』は刺繍という伝統的な技術をさらに進化させ、現代的なファッションセンスにマッチした、新しい『美』を創り出してくれました」
「糸の宝石」を生み出そう、得意な刺繍の技術をさらに高めようと不可能に挑み、積み重ねてきた私たちの努力を、きちんとくみ取っていただいたのです。
「アトリウム」コーナーの中央に配置したことまでのご説明はありませんでしたが、私たちからすれば
「『スフィア』が目玉商品の中の目玉商品になった!」
のです。喜びは全身で表現する私たちのことです。ブースが盛り上がったのはいうまでもありません。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)

















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