盛は苦労と縁が切れない人でもありました。
最大の苦難は昭和恐慌だったようです。
1929年10月24日、ニューヨーク株式市場で株価の大暴落が起きました。28、29日には株価は壊滅的に崩れ、「ブラック・サーズデー」「ブラック・フライデー」「ブラック・マンデー」と呼ばれる、1ヶ月も続いた混乱です。世界同時恐慌の引き金になったことでも知られます。
日本に影響が及んだのは翌1930年からでした。まず、ニューヨーク株価暴落の影響がありました。それを加速したのが金解禁です。当時の浜口雄幸内閣が金輸出の解禁に踏み切ったのです。当時の日本は金本位制を採用せずに金の輸出を禁じており、世界の潮流に反していました。浜口内閣は日本も世界に足並みを揃えようとタイミングを計っていました。日本の景気がしばらく好調を続けていたこの時期を、絶好の機会と判断したのです。
ところが、ウォールストリート発の株価暴落で景気が急速に悪化したからたまりません。金解禁は激しいデフレーションを引き起こし、日本は二重の不況に突入しました。物が売れません。もちろん、帯も例外ではありませんでした。
「また売れなかったよ」
父の勝は、買継商から戻ってきて、肩を落としながらそうつぶやく盛の姿を覚えていて、私によく話してくれました。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)















