また、父・勝の話では、当時の住まいには、襖を取り払うと40畳にもなる座敷があったそうです。取引先を自宅にお招きして接待するのが桐生の古くからの機屋の伝統であることを考えると、この広い座敷からも「笠嘉織物」の当時の繁栄振りがしのばれるのではないでしょうか。
産業は地球を西に回るといいます。近代の歴史をみれば、大英帝国を支えた織物はやがてアメリカに乗り越えられ、その後日本がアメリカの繊維産業の上を行くようになって日米繊維摩擦が起きました。いま、繊維産業はさらに西に移り、中国を中心とするアジア諸国が生産の多くを担っています。
歴史の波は桐生の繊維産業も巻き込んでいきました。いま桐生の繊維産業は年々出荷額が減り、苦しみ続けています。「笠盛」も例外ではなく、経営は厳しさと隣り合わせです。
そんな逆境で経営をつづけてきたからでしょうか、初代嘉吉のことを思い出すたびに、今の会社の基礎を作ってくれたことには感謝しながらも、同時に羨ましさを覚えてしまいます。
「ひいおじいさん、あなたはやることなすことがすぐに成果に結びつくいい時代に生きたね」
と嫌みの一つも並べたくなってしまいます。
と言いながら、一方では
「俺もあんたの血を引いている。いまに見返してやるから待ってなよ」
と、嘉吉をライバル視して「笠盛」を経営してきた私でもあるのです。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)














