ところが、です。採用面接の日に会社に出かけると、入り口の前に人だかりが出来ているのです。ざっと見ても100人以上います。これから列の後ろに並ぼうという人もあとを絶ちません。
「何が起きたんだ?」
いぶかりながら工場に入ると、あれは全員、社員募集への応募者というではありませんか。そういえば、現地は失業率が極めて高かったのです。
面接を始めました。といっても、言葉は満足に通じませんし、現地のことに詳しいわけでもありません。
「これは見た感じで決めるしかない。自分の第六感を信じよう」
こうして採用者を決めました。応募者は男女半々ぐらいでしたが、採用を決めたのは女性が90%ほど。「見た目」に惑わされたわけではありませんが……。
100人を超す面接は大変です。ヘトヘトになりながら夕方までに採用者を決め、その名前を外に張り出しました。それで翌日から工場が動き出すはずでした。
ところが、なのです。
「何故俺を採用しないのだ!」
工場に残っていた人たちによると、大変な剣幕で不合格者が工場になだれ込んできたのです。工場内で暴れ回り、中には電話を外して持っていく人もいました。一種の暴動です。
幸い私は、合格者を決めるとすぐに工場を出て食事に行っていましたので巻き込まれることはありませんでした。しかし、戻ってみると荒らされた工場が目に入って呆然としたものです。電話機は1台残らず引きちぎられています。不幸中の幸いは、ミシンには暴行の跡が残っていなかったことです。これなら明日から工場を動かすことが出来る。
こうして、「P.T.KASAMORI」が動き始めました。

1948年3月18日生まれ
好き:仕事、ワイン、落語、漫才、みんなの笑顔、家族、妻(多分)
嫌い:仕事、ホルモンのシロ=噛みきれないので、妻(多分)
得意:笑顔、プログラミング、早食い、経営(多分)、妻(多分)
苦手:指相撲、妻(多分)
似ている芸能人:藤山寬美、キムタク(多分)















